冬休み前の会話

正月三が日も、学園長はせっせと働いています。今日は漢字のプリントを作りました。
何故かというと、2学期の最後の授業で、小学3年生のモモちゃん(仮名)とこんな会話をしたからです。
※プライバシーの保護と説明の便宜上、実際の会話の内容とは少し異なっています。

学園長
学園長
ももちゃん、冬休みは宿題たくさん出てるのかな?
うん、このプリントに書いてあるよ。
ももちゃん
ももちゃん
学園長
学園長
ふむふむ…おや、漢字の練習プリントがあるけど、何回ずつ練習したらいいかは書いてないね…かわりに、3学期の初めに確認テストをするみたいだよ。

漢字の練習のさせ方は一般的に「ノートに〇回ずつ」とか「ノートに1行ずつ」といった形で課題を出されることが多いのですが、モモちゃんの学校では回数を指定せず、代わりに確認テストを行う方式をとっているようです。

しかし、小学校の漢字テストですから、いわゆる「ノー勉(勉強を一切しない)」でもそれなりの点数が取れてしまうことがあります。そのような誤った成功体験は、子どもたちに「勉強しなくても何とかなる」という思い込みを生んでしまう可能性をはらんでいます。

テストにより到達度を図るのは、子どもの自主性を重んじた良い宿題の出し方だと思いますが、ほとんどの子どもは自分でペースづくりをすることができません。というわけで、学園長は一見簡単な漢字の練習を、しっかりやってもらおうと考えました。

学園長
学園長
モモちゃんは、三学期の漢字テストで何点取りたい?
100点がいい!
ももちゃん
ももちゃん
学園長
学園長
そっか。じゃあ、100点取るために冬休みにどれくらい練習する必要があるか、一緒に考えてみようか。

今回提示されていた出題範囲は、細かく分けて120個の熟語を覚える必要があります。

学園長
学園長
冬休みが15日間あるとして、モモちゃんは1日何個の熟語を覚えればいいかな?
んーと、120÷15だから…(筆算して)8個だ!
ももちゃん
ももちゃん
学園長
学園長
でも、それだと1回ずつしか練習できないよ?それだと忘れちゃいそうだから、3回ずつくらいは練習してみたらどうかな?
ってことは、8×3で1日24個?
でも…もう少しやったほうが良さそう。それに、元旦にも勉強するのは大変そうだし…。
ももちゃん
ももちゃん

こうやって、少しずつ自分なりの学習ペースを組み立てていきます。

モモちゃんは結局、年内に2回ずつ復習して、苦手なところだけ年明けに練習したいと考えました。

でも、苦手かどうかってどうしたらわかるかなぁ…
ももちゃん
ももちゃん
学園長
学園長
よし、じゃあ僕が確認テストを作っておくよ。年が明けたらそのテストを解いてみて、間違えた問題だけ残りの冬休みの期間で練習をしてみたらどうかな?

…というわけで、学園長は自ら漢字のテストプリントを作ってあげることにしました。

ポイント① 結果とプロセスの両方を見守ること

今回のやりとりで大事なことは2つあります。

1つ目は、「結果」と「プロセス」の両方を見守ることです。

例えば、「全く勉強しなかったのにテストの結果が良い場合」は、結果だけ見て褒めてしまうのは良いフィードバックとは言えません。今回は結果オーライではあったが、幸運は何度も続くわけではありませんので、本来はどれくらい勉強をすべきだったのかを見直させる必要があります。

逆に、「テストの結果が悪かったが、実は本人は頑張っていた場合」に、頑張っていたことだけを褒めていては本人が伸びる可能性を摘んでしまいます。頑張りが足りなかったのか、あるいは頑張り方が間違っていたのか、一緒に考えることで、努力するモチベーションを維持させる工夫が必要です。

ポイント② 勉強のペースメイキングを習慣づけること

今回の漢字テストのような単純な題材は、「学習習慣を身に着けさせる」には最適なものです。
ここで言う学習習慣とは、単に机に向かうことだけを意味しません。

  1. 毎日どれくらい勉強すればいいかを自分で考える
    先ほどの会話で割り算や掛け算を行うシーンがありましたが、ああいった方法で日々の勉強量を自分で考えさせます。今回は熟語の数でしたが、場合によっては問題数やページ数と言った単位を用いることももちろんあります。
  2. それを愚直に実施しながら、途中で軌道修正を図る
    計画通りに実践できることはめったにありませんので、実践しながらこまめに軌道修正を図ることが必要です。
  3. 実践にあたり、先生や家族をうまく巻き込む
    1と2を独力でやれるようになれば、立派な「勝手に学ぶ子」なのか?というと、実はそうではありません。むしろ、自分が飽きっぽい性格なのを知っていれば、毎日机に向かうように家の人に注意してもらったり、今回のように先生に確認テストを作ってもらったり…ということができるようになります。

こういったペースメイキングを立派に出来る子は、将来的に定期テストや入学試験といったイベントでも計画的に学習できるようになりますし、社会に出てからも他人の協力を仰ぎながら実績を残し続けることができるようになります。